Taisuki Café

台湾が大好き♡

いつか、大同電鍋を買う日。

いつか、大同電鍋を買う日。

連載:「猫と珈琲、時々おじさん。〜台湾小確幸」

週に何度か迪化街へ出かけます。食事や珈琲、買い物をしたり、ただ歩くだけでも楽しいエリア。ガイドブックでも大きく紹介されるし、日本の影響が薄く台湾純度の高い場所なので、旅行者も多いですね。先日、片手にナイロンのママバッグを複数、もう片方の手には「大同電鍋」の箱と、戦利品を提げて歩く日本人女性を見かけました。日本で大同電鍋が密かなブームと聞いていましたが、目の当たりにしたのは初めて。おお……本当に電化製品買って帰るんだ。大きな箱を持って歩く後姿に「がんばって!」とつぶやき、見送りました。

台湾雑貨が家にあるのは照れくさい自意識過剰

以前住んでいた香港から台湾に遊びに来て大同のマスコット「大同寶寶」の人形を見つけると、いちいち写真を撮っていました。

いつか台湾に住んだら本体を、大同電鍋を買うんだ。
そう夢見て幾年月、台北に来て 7 年が過ぎようとしていますが、私のキッチンには一向に大同電鍋がやってくる気配はありません。

「台湾人留学生は大同電鍋を抱えて日本にやってくる」のは、都市伝説だと思っていました。しかし、複数の留学経験者に尋ねたところ、全員が

「ええ、日本に持って行きましたよ、大同。」

微笑みながら答える伝説の中の人物を前に、いちいち感激したものです。

憧れの、伝説の大同電鍋。

「便利だよ」
「プリンや蒸しパンを作るんでしょ。買いなよ」
「カレーも作れるよ」
「炒め物も出来るし」
「ご飯と一緒に野菜も蒸せるよ」
「買いなよ」

勧められるたびに、「うーん」とはっきりしない返事しかできません。

なぜなら私は、住んでいる国の伝統的な雑貨やグッズが家の中にあると、真っ赤になって照れてしまう自意識過剰な人間だから。

「台湾雑貨でほっこり」ってか?
「台湾雑貨に囲まれて暮らす素敵なアタシ」ってか?

キャーッ!と両手を爪立ててわき腹から肋骨に向けてかきむしりたくなるのです。
誰もそんなこと、気にしないのにね。

実際に私の家にあるものは、日本、香港、バリ島、そしてドイツの雑貨や食器が多く、台湾産はお茶の道具とビールグラスくらい。米を炊くのはドイツで買った鍋、蒸し物はオランダの鍋。フライパンや煮物の鍋は、母から譲ってもらったものがあります。もうこれ以上、狭いキッチンに大同電鍋が入る隙間はないのです。

年貨大街の幸せな活気が、自意識を吹っ飛ばしてくれた

迪化街で春節前に立つ市場「年貨大街」。毎年、あと何回行けるかなと鼻息荒くカレンダーに丸をつけ、一度行ったら最低 2 時間、6 時間滞在もこなします。春聯を書いてもらうのは時間がかかるから、待っている間あちこち見て回り買い物や休憩もします。年末のアメ横やドイツのクリスマスマーケット同様、年末にお祝いや新しい年の準備が出来る喜びと活気は、どんなに混雑していても嫌な気持ちにならない。むしろ、幸せなパワースポットだと思います。

その年貨大街で、春聯の出来上がり待ちの間に見つけた、ほうきとちりとり。猫のトイレ周りに散らかる砂を片付けるのに、良いのではないか?とひらめきました。台北にはダイソーやIKEA、ニトリなどがあって、生活用品を探すには不便ありません。安くてカラフルなプラスチックでええじゃないかと思ったのですが、柔らかそうなほうきを見ていたら、使ってみたくなって、購入。ついでに「禁断の」ナイロンのママバッグも購入。年末の市場の活気は、「台湾雑貨?うーん・・・」と過剰気味だった自意識を、吹っ飛ばしてくれたようです。

いいよこれ。

ママバッグは、ほうきセットとビニール袋を入れて猫トイレ専用にしました。小さくまとまるし、汚れたら洗える。色違いでA4サイズも買ったら、コンビニにコピーを取りに行ったり、ちょっと買い物する時にとても便利でした。大きめのをビーチバッグにしてもいいんじゃない。誰かミランダ・カーに勧めてください。バカンスのマストアイテムになるかもしれない。美容系で検索すると、9割がたミランダ・カーも愛用なのはどうしてでしょう。本当なのかな?適当に書いてないですか?だったら私も書いちゃおうかな、「ミランダ・カーも愛用の台湾ママバッグ」。
(「ミランダ・カーより先にママバッグ使ってるアタシ」は、特に自意識にひっかかりません)

このママバッグ、台湾の若い子達からみるとおばさん、おばあさんが市場で使うものなのだそう。なぜ日本人が熱狂するのか今一つ腑に落ちないようですが、私たち日本人も外国人の大人がランドセルを背負い「とってもクールね。機能的よ」と喜んで使っているのを見て呆然とする、そんな感じかもしれないですね。

そもそも「春聯」を、出来合いではなく書いてもらっている時点で十分
「台湾文化を愛する素敵なアタシ♥」
じゃないかっ!と己をひっぱたきたくなるのですが、これは嬉しいのよねえ・・・リクエストすれば、欧文でも書いてもらえるんですよ。

そんな風に、台湾雑貨はほっこりしながらじわじわと、私の部屋にも浸食をしはじめています。雑貨は手軽だから、しかたあるまい。本当に、鍋はこと足りているんです。この状態で最後の大物、越えてはいけない一線にまで上り詰めた「大同電鍋」を買う日が、いつか私にも来るのでしょうか。

ちなみにこのページのイメージで掲載している赤い大同電鍋は、Taisuki.Cafeの本体、「Rocket Cafe」のオフィスにある「ロケット食堂」のもの。

オフィスにお邪魔するたびに写真を撮ったりじっと眺めたりしていると、

「何色のが欲しいですか」

編集長から直球で尋ねられて

「いやいや、いらないです、置く場所ないし」

消えない自意識にブルブル震えてしまいました。
でも本当は知っているの。オンライン限定の「ティファニーブルー」があることも、緑色のは「グアバ・グリーン」なんて、ときめきがとまらないネーミングだってことも。

寄稿者情報

mimi
ライター、コーディネーター、プランナー。
香港で19年生活後、2010年から台北在住。東京出身。
街歩きで出会う猫とカフェ、ブンデスリーガ(ドイツサッカー)観戦が好き。
一丁文化出版(香港)より、日本人からみた香港の人や習慣、広東語の面白さと魅力を書いた
「當抹茶Latte遇上鴛鴦」 を中国語(一部広東語)で上梓。
五月天や台湾、香港の俳優やミュージシャンのインタビュー多数。
個人サイト| 「台北 カフェと旅ノート」

コメント一覧

  • Comments ( 2 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. わたしも台湾に来たら大同電鍋を買うのだ、と決めていましたよ!
    まだ買ってませんが(笑)。
    ちょっと使い古した感がほしくて、中古を見たり、やっぱり汚いかなと思って新品を見たり、
    迷いまくってますが必ず買います。
    緑のを買う予定です。

    • アンティークもあるんですね、それもいいなあ…。
      グリーン可愛いですよね。悩む。
      コメントありがとうございました!

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